2008年12月7日日曜日

フィールドの力

今日は、仲魔先生と金沢へ出掛けてきましたよ。

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目的は、金沢大学人文学類発足記念シンポジウムに参加して、
金沢大学国際学類准教授の D.K.アンドリューズさんのお話を聞きに。

伝え聞くところによれば、アンドリューズ氏は、日本民俗学が専門で日本の民族宗教を研究する過程で、”アニメの聖地巡礼”という行為に関して関心を持たれ、研究内容を発表しているとか。

そんなわけで、早速潜入!
スーツなんて着るのは久しぶりだべさ。
普段は持ち歩かないけど、アンドリューズの為にかがみん連れてった。

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会場に入ると、イタリアの壁画修復に関しての講演をされておりました。
どれも面白い内容で聞き入ってしまいましたよ。
考えてみれば、私たちのフィールドは北陸で、とくに白川郷ということになるのでしょうか。
いや、私たちのフィールドは雛見沢で、そのフィールドの一端に触れるべく、白川郷に足を運ぶというのがイメージに近いかな?

そして、私たちが楽しみにしていたアンドリューズ氏の講演へ。

「まずぅ、この絵馬を~、読んでみましょ~か!はい!」

「あはははははははははは!」

「わらっていいともぉ?」

フィールドワークっていいねぇ♪

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今回のテーマは、表紙の通り、「ひぐらしのなく頃に」の舞台:雛見沢村のモデルである白川郷の白川八幡神社に納められる『作品巡礼者の絵馬』と通常に納められる信仰的絵馬を比較したときに見えてくるものは何なのかという事でした。

会場で頂いた調査資料と、アンドリューズ氏がスライドに用いた資料が若干異なるとのことでしたので、全調査資料の掲載は見送って、ほんの一部抜粋で。

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こういった抜粋をすると、アンドリューズ氏の本意と食い違う個所が出るやも知れませんが、まぁ、興味をもたれた方は、アンドリューズ氏の講演等で、見て・聞いて・触れてきてください。

講演を聴いて、絵馬の機能に関しては、哲翁の感じていた通りでしたかね。
絵馬奉納所をコミュニケーションの道具として掲示板のように使用しているといえます。絵馬所を通して、絵師が発表しあったりする姿は、「絵の描かれた絵馬板を買って願い事を記す」という行為よりも、昔ながらの絵馬や算額絵馬を通じたコミュニケーションや技術の研鑽の原動力としての使われ方に近いのではないかと、ちょっとうれしく思います。

講演の後、仲魔先生がアンドリューズ氏に御挨拶。
「本研究のフィールドワークに関して必要があれば、協力を惜しまない」といった感じでした。
哲翁は、
「スライドの中で使われたうちの1つの絵馬を描きました。」とだけ。
「おぅ、絵師の方ですか!」と、お名刺を頂きました。
・・・しまったなぁ、絵馬でも持ってくるべきでしたか?

アンドリューズ氏は、既にアニメ「らき☆すた」に登場する神社のモデル・鷲宮神社の絵馬:約3000枚(聞き間違いでなければ)の資料を採取しており、これから調査を開始するようです。

そして、握手をして会場を後にしたのでした。

どのような結果がでてくるのか、楽しみです。

しかし、不思議なフィールドでした。

仲魔先生、以前から笠を1本車内に預かっておりますので、今度渡します。

・絵馬羅列してみよ。

ema001 (白川八幡神社)

ema002 (白川八幡神社)

DSC_5626 (白川八幡神社)

DSC_4518 (伊那高遠・鉾持神社)

DSC_5040 (越前一宮・気比神宮)

DSC_0988 (白川八幡神社)

ひぐらし絵馬は、どの神様に対して納めればよいのか。
哲翁の絵馬は、すべて応神天皇(誉別之命)向けにしているのだが。
ある意味、二つの神が立つ聖地メッカ状態。
信仰を失った神が、ただ廃れていくだけだというなら、アニメしか眼中にないファンにとっては・・・。

神って何だろう?
信仰の定義って何だ?

・・・さて、こういうことは暇なときに考えよう。

・川島よしお家

帰りに加賀のとあるお店にて、最近ハマッている四コマ漫画師・川島よしお先生のひぐらし同人誌「HEART OF DARKNESS」を入手しました。
っていうか、温泉漫画「PEACH」で、東北の温泉旅館と定義しつつ、冬の背景に合掌造りが登場するのは、そういうのを意識してるのかな?

合掌。(←意識)

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